中国

盛特偉

(1915~2010)  少年の吹く竹笛の美しい音色には鳥も降参? どこかに行ってしまった牛を呼び戻すために彼は竹笛を吹く。すると、、、 「牧笛」(1963)。 「琴と少年」(1988)は、人里離れた庵で少年が琴を教わる話。静かに、ゆったり、抒情たっぷりに物語は進み、絵、音、動きとも繊細かつミニマムでとても美しい逸品。 他、水墨画アニメーション第一弾の「おたまじゃくしがお母さんを探す」(1960)などがあります。


唐澄 / ★強(★は「烏」に「おおざと」)

「鹿鈴」(1982) 手負いの小鹿を助け、看病する女の子のお話。すぐに傷も癒え、すっかり仲良くなった2人。そして時がたち、小鹿との別れの時が、、、 子供向けに造られた感じの内容です。


上記作品は全て水墨画アニメーションです。線の強弱、色の滲みがとても綺麗で、絵から独特の品と柔らかさを感じます。これでアニメーションを描いていくのは、相当手間暇がかかって大変だと思います。 「鹿鈴」の監督は、二人とも女性だそうです。


胡進慶

「鴫と烏貝が相争う」(1983) は、水墨画を使用した切り紙アニメーション。題名通り、鴫([しぎ]:鳥の名前です)と烏貝が川辺でプチ・バトルを繰り広げる、ユーモアのある話。


チェン・シー (Chen Xi)

(1977~ )  中国で漫画家としても活躍されてる方だそうです。「穀物配給切符」(2012) は、文化大革命自体の話。絵が上手な気の弱い職人の旦那と、気の強い奥さんが、役人からなんとかして配給切符を得ようとする話。夫婦愛もちょっと描かれていて、クスッと笑える静かなトーンの作品。
他に「冬至」(2008)など。


韓国

キム・ジュン

「都市に住む人々の空間感」(2007) は、シンプルなドローイングのアニメーション。立ち並ぶ団地、マンション。エレベーターで一緒になっても話すこともなく、横の部屋に誰が住んでるかも分からないそんな都会の生活を、否定するでもなく肯定するでもなく、淡々と描いています。
「私の親しい友達との軽い親密感」(2003)は、カフェで一緒に座っている友人が、周囲の雑踏に紛れ込み、消えてしまう、、、 3分の短い作品ですが、作者の孤独感、人との距離感が捉えられてる気がします。周りの雑踏が消えたり浮かび上がってきたりする場面があるのですが、そのモーフィングの過程が、具象と抽象の狭間を模索している頃のモンドリアンを思わせる画面で、彼のように、作者も自分と他人との関係の着地点を模索しているかのようにも感じます。完全に深読みですが。



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